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【掛川西高等学校 吉川牧人 #1】緊急事態に対応できる、ICTに強い学校へ

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【吉川牧人(きっかわ まきと)経歴】
1974年静岡県出身。静岡県立掛川西高校、世界史教諭・研修課長・ICT推進委員長。コロナ禍における授業完全オンライン化の立役者。地域活動を通じて生徒に学びの場を与え、地域を活性化する多様な取り組みを行う。Apple Distinguished Educator、Google認定教育者LV.1 LV.2、マイクロソフト認定教育イノベーター2020-2021。「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2020」受賞。

 静岡県立掛川西高等学校は、このコロナ禍におけるオンライン授業を全国に先駆けて実施している。その実現までのスピードの速さと、「掛川西モデル」として横展開できる形に昇華させた取り組みは、新聞でも報道され話題となった。
 対応が遅れているとされる教育現場のICT化において、なぜ実現できたのか。立役者である吉川牧人先生に、その道のりを伺った。(※取材はオンライン)

ICTを活用する公立高校の先生

加藤(インタビュアー):吉川さんは公立高校の先生として、教育現場のICT化や外部と連携した多くの実績を称えられ、「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2020」を受賞されました。各プロジェクトの具体的なお話の前に、吉川さんのお仕事内容について伺えますか。

吉川氏:私は静岡県立掛川西高校で、世界史を教えている教員です。この学校に来て7年目、教員としては20年目になります。本校での役割は「研修課長」として職員研修を担ったり、「ICT推進委員長」として教育現場のICT化を推進したりもしています。
 市民と連携して地域課題に取り組む「総合的な探究の時間」では、その全体運営の長もしております。

加藤:ちなみに最初におっしゃった研修課長は、もっと年齢が上の方々がなるものらしいですね。

吉川氏:課長職や主任職は重役会議のような運営委員会という会議に参加するのですが、その中に40代は2人しかいません。私は現在46歳で、その課長職に就いたのは41歳ぐらいだったので当時最年少でした。

加藤:学校の先生は非常に多忙と聞きますが、それだけ役割を持たれている吉川さんの一日のスケジュールを教えてください。

吉川氏:静岡の県立高校の場合、朝に出勤をして夕方の15時から16時までは授業、その後に会議や部活が入るイメージです。おっしゃる通り教員の多忙化は問題視されていますが、私の場合はICTを使って徹底的に効率化するなど、役割分担を明確にして毎日定時に帰れています。

Apple・Google・Microsoftの認定教育者

加藤:吉川さんはICTに関連する教育者の認定を受けているそうですね。

吉川氏: Apple・Google・Microsoftの認定教育者として、それぞれのコミュニティと様々な取り組みをしています。教育界は今「GIGAスクール構想」の変革期ですから、あまりApple派とかMicrosoft派とかで派閥を作らずに、協力していきたいと思っています。
 それとはまた別にGoogleの教育者のグループを山梨県・静岡県で立ち上げて、その静岡代表として100人程のメンバーと教育のICT化に取り組んでいます。

学校は災害・災厄に対応できない

加藤:ICT化といえば、掛川西高校はこのコロナ禍において早い段階からオンライン化を実現させました。吉川さんはずっと以前から学校教育のICT化に取り組まれているそうですが、その経緯を教えてください。

吉川氏:きっかけは2011年の東日本大震災です。あの震災で被災した学校では、生徒の成績データを含むあらゆるデータが流されてしまいました。さらには授業が全く再開できない、もっと言えば生徒と連絡すら取れない状況だったわけです。
 また別の課題として、学校は避難所としての重要な役割を持っているのに、この時代においてもWi-Fi等のICT環境が整っていません。つまり学校は明治以降150年間、ほぼ変わらない体制でここまで来てしまい、災害・災厄に対応できない現実が明らかになりました。

加藤:吉川さんは静岡県の先生ですが、東日本大震災からそこまで危機意識を持たれたのですね。

吉川氏:静岡県はご存知の通り、南海トラフ地震が必ず来ると言われているエリアなので、同じ状況が想像できました。でも私が掛川西高校に赴任した2014年の段階では、総務省等からこれらのまとめが発表されていたのにもかかわらず、学校現場は変わる気配がありませんでした。

お金をかけずにICT化を進める

加藤:2014年から学校のICT化を進めるのは難しい道のりだったのではと思いますが、吉川さんは何から始めたのでしょうか。

吉川氏:赴任2年目の2015年から、有志を集めてGoogleを活用しながら何とか無料でやれる施策を考えました。やはり公立なので、無料で実現させるのが大きなポイントになります。
 そこでG Suite for Educationを試験的に採用していた静岡県と折衝し、本校にGoogleアカウントが2016年には段階的に発行され、2017年から全生徒・全教員に発行されました。これにより教育データのクラウド化や、生徒と公式にオンラインで連絡を取れるようになりました。

(取材=加藤年紀 編集=小野寺将人)

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※本インタビューは全8話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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