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【鹿屋市 福井逸人氏:第4話】原発の対応とも向き合った栃木県庁時代

原発の対応とも向き合った栃木県庁時代

加藤:栃木県庁ではどういうお仕事をご経験されたのでしょうか。
福井逸人氏:課長として行きました。農政部の流通担当課長、そこは昭和の40年ぐらいから代々ずっと農水省から出向しています。ここも勉強になりました。
 大変だったことは福島原発の事故があった時に、県内のほうれん草が汚染されているとわかり、その流通を止めなければいけなかったんです。農水省に検査を頼んだところ、その結果をみて、とにかくすぐに流通を止めるべきだという話が来たんです。まだその時には制定されたルールも何もなくて、「流通を止めたものは国として補償することになるだろう」という程度の口約束ぐらいの状態で、ものすごく緊迫していました。
 止めてもらうには、農協などのそれまでいろんなことでぶつかっていた利害関係者だった相手に、話を聞いてもらうしかないので、僕は農協にすぐ電話して「僕を信じて、すぐ止めて下さい」なんてお願いを言うわけですよ(笑)。
 いつもはぶつかっていることも多いのに、そうしたら「わかった」って言って止めてくれたんですね。この農協の対応には本当に感動しましたし、結果、栃木県は周りの県に比べて「ちゃんと基準値を上回ったものは出荷を止めている」とわかってもらえて、風評被害からの立ち上がりが早かったと思います。それが栃木で一番大きな経験でした。
加藤:すごい経験ですね。その後はどういうお仕事をされたんでしょうか
福井逸人氏:栃木県庁から農水省に戻って、肉・卵、消費安全を2年半やっていました。役人人生の半分は外でしたね。よっぽど農水省からいらないと思われているんでしょうね(笑)。
加藤:そんなことはないと思います(笑)。栃木県庁から農水省に戻られてからされていた仕事は、法律関係の整備だったのでしょうか。
福井逸人氏:業務は何て言うんでしょうね、あらゆるものの論点整理をしていたとでも言うんでしょうか。
加藤:具体的に言うと、原発や家畜の病気の問題があったりした時に、農林水産物の安全問題について論点を整理して、国会議員と対策などの話を詰めるようなイメージなのでしょうか。
福井逸人氏:あー、そうです。そうです。豚の病気の対策をしたことがありまして、技術者の方がいろんな対策のアイデアをお持ちなんですけど、その技術者と国会議員の方との橋渡しをしていました。

緻密さと大胆さを使い分ける

加藤:基本的には、農水省ではかなり緻密なことをされている印象だったので、最初にカンパチダンスを見たときの振れ幅がすごいなと思いました。

鹿屋市 副市長

カンパチのお面をかぶって踊る福井副市長

 
福井逸人氏:そうですよね(笑)。農水省に戻った時に、使い物になっているか本当に心配しています(笑)。元々、こんなPR活動や、人に笑ってもらうようなチャレンジをしたことは、一切なかったですからね(笑)。
加藤:同僚の方もびっくりしているかもしれませんね(笑)。
福井逸人氏:すぐそこに農水省の支署があって、そこが地元の新聞とか全部コピーを取って農水省に送るらしいんですよ(笑)。だから、何も考えずに楽しんでいるんだと思われているとちょっと納得がいかないです(笑)。馬鹿やっているようで結構きついんですよ、副市長って。もう6週間休みが無いですしね(笑)。
加藤:そうですよね。人はなんとなく、目立っている表面的な部分のみを見てしまうかもしれませんが、実際は間違いなく激務だと思います。

数ある選択肢の中、なぜ豚とカンパチをPRしたのか

加藤:ここからは、福井さんの仕事の仕方や、お考えについてもお伺いしていきたいと思います。鹿屋でPRすべきものを絞られて、結果的に豚やカンパチなどを推し進めているじゃないですか。他にも野菜なども町にある中で、そこに絞った判断はどう生まれたのでしょうか。
福井逸人氏:感覚とロジカル両方で絞り込んでいきましたね。モノとしての魅力を考えると、豚は鹿屋で加工までできるんですけど、牛はできないんですね。また、カンパチも加工場まであって加工ができるのと、販売が拡大したときに耐えうる生産量がある程度ある。
 それと一緒に動いてくれるプレイヤーがいるということも大事ですね。話しているうちに、漁協の青年部の若い人達が元気だと感じましたし。豚も農協が真面目にやっている。振り返ってみると、そういった点を総合的に考慮して豚とカンパチだったんでしょうかね。
加藤:そうすると、その地域で作れる商品の魅力、売り込んでいく時の関係者みたいな方達を見て、総合的に豚とカンパチの場合に上手くいくんじゃないかと。
福井逸人氏:そうです。そうです。後半部分のPRして売れるかどうかを判断することに、僕のこれまでの経験が活きているんだと思います。例えば、うちの町はさつまいもが沢山あるんですけど、僕としてはそれよりも豚とカンパチの方がうまくイメージを持てたので、そっちを先に進めてきました。
加藤:なるほど。ただ、もちろんそれ以外のものも、全く何もやらないわけではないですよね?
福井逸人氏:はい。ものによって、攻め方が少しずつ違って、お茶はPRすることではなくて、国際水準を取ることでもっと売れるようになると思うので、そこを進めていますし、芋は作ればもっと売れると思っているので、もっと作れる状態にすることに注力をしています。
加藤:なるほど。しっかりと売りに行っているというところがとても大事ですよね。

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※本インタビューは全4話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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