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村川美詠 コラム

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“キョウドウ”について-村川美詠#6

連載も最終回!今回は、地域において男性にお願いしたいことを書きます。とは言っても、地域活動における男女共同参画の問題が一番難しく、正直、うまく書ける気がしませんが、私の素直な気持ちを伝えてみたいと思います。

最近、後輩の女性職員から「美詠さん、事件です!」と聞かされ、驚いたことがありました。彼女の子どもが所属している地域のスポーツ活動の打ち上げがあり、会場である町の公民館に行ってみると、1階には、お刺身やビールなどのごちそうが並んでいましたが、そこは父親たちの席と決まっていて、「お母さんと子どもは上ですよ」と言われて上がった2階には、カレーが並んでいたのだそうです。以前から、その活動では「休日は、お父さん当番とお母さん当番があり、お父さんは審判、お母さんは審判に出す麦茶等のお世話をすることになっている。」と聞いていて、今時の若い保護者でもそんなことがあるんだなぁ~と思っていたのですが、打ち上げの件はさすがにびっくりしました。

10年程前、男女共同参画の仕事をしていた頃、シングルマザーが地域の草刈り作業に参加した際、「おたくは女性の参加だったから出不足金(参加できない世帯が払う“罰金”のようなもの)の半額を支払ってください。」と地域の役員さんに言われ納得がいかない、という相談を受けたことがありました。その後、その方が声をあげたことによって、その慣習はあらためられたそうですが、地域における性別役割分担意識の問題はつくづく難しいなぁ~と感じた事例でした。

昨年度まで、教育委員会で社会教育の仕事をしていましたが、PTA活動においては、本当に重要なことは女性たちが決めているにも関わらず会長はほぼ男性であったり、母親委員会という「なんで母親だけ?」と思うくくりがあったり、公民館の利用者は圧倒的に女性が多いのに、女性の公民館長は全くいなかったり、地域で子どもたちの健全育成に取り組む団体の長がすべて男性だったり、いろいろと疑問に思うことがありました。もしかしたら、その背景には、女性がうまく男性をたてながら(男性を盾にして)便利に使っているという現実があったりするのかもしれませんが…。

共同協働共働協同…少しずつニュアンスは異なるものの、どれも共に力をあわせてある目的のために一緒に活動することをいうのだと思います。もちろん、男性、女性、それぞれに得意なこと、苦手なことはあり、すべてを平等に!とは思っていません。例えば、私は、今、諫早を元気にしたいという思いから「諫早もりあげガールズ」という女性だけの地域おこしグループで活動していますが、女性の視点や感性、メンバーそれぞれの強みを生かしながら、共に考え、行動する活動にやりがいと感じています。うまくは言えませんが、女性だから控えめにすべき、リーダーは男性であるべき、といった“べき”ではなく、人が“こうしたい”と思ったことに自由にチャレンジできる地域社会であったらいいな~と思っています。

さて、半年前、HOLG.jpの加藤さんからのむちゃぶりを“頼まれごとは試されごと”と「喜んで!」と引き受けたものの、正直、筆が進まない日もあり、今日、最終回の原稿を書き上げて、今はホッとしているところです。あらためて、私なりの男女共同参画について考える機会をいただいて、本当にありがたかったと思います。人間、困ったら、何か降りてくるものなのですね~(笑)

10年前、男女共同参画課で仕事をしていた頃は「10年後にこの課がなくなっていたらいいな」と思っていましたが、まだ存在しています。でも、いつか「そんな課、あったね~」と笑って語れる時代がきっとくると信じて、連載を終わります。ありがとうございました。

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【村川美詠氏 過去のインタビュー】

女性として働きづらかった時代の経験を糧に、活き活きと働く女性のロールモデルを目指す

村川美詠氏 経歴 1986年、長崎県にある諫早市役所に新卒で入庁。当時、大卒としては3人目の女性職員となる。選挙管理委員会事務局、障害福祉課、職員課、男女共同参画課などを経て、現在、生涯学習課長として管理職を務める。活躍は市役所内に止まらず、諫早市のオフサイトミーティング“おこしの会”や、諫早の観光を盛り上げる“もりあげガールズ”を立ち上げるなど精力的な活動を続ける。女性が働きづらい時代の中で道を切り拓いて、活き活きと働く女性のロールモデルを実践している。

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