コラム

週刊 寺本英仁「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方 第14号(HOLG版)

ビレッジプライド

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本記事では、有料メルマガ「週刊寺本英仁@島根県邑南町/「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方」の一部(A級グルメ連合についてのストーリー)をご覧いただけます。なお、掲載するメルマガは約3か月前に配信した内容です。最新かつ、全文の閲覧を希望する場合はコチラからお申込みください。

【第14号の目次(2019年9月11日配信)】
1.近況ーー岩牡蠣の養殖現場で水中写真を撮ってきました
2.<A級グルメ連合>の仲間たち 西ノ島町編(1)
3.スペシャル対談「巻き込む力」(4)
4.著書の案内、質問募集!など

メルマガの一部をHOLG.jpに公開いただいています。

2.<A級グルメ連合>の仲間たち 西ノ島町編(1) =志を同じくする5市町の取り組みを連載形式で紹介します!

 「にっぽんA級(永久)のグルメのまち連合」が今年5月に正式に発足した。
 北海道鹿部町、福井県小浜市、島根県西ノ島町・邑南町、宮崎県都農町の5自治体が、邑南町が平成23年度から取り組んでいる<A級グルメ構想>を邑南町以外の4市町でも取り組んでいこうと言うコンセプトである。

 なぜ、僕がこんな発想になったか、簡単に述べておこう。<A級グルメ>の取り組みが平成23年以降少しずつメディアに取り上げられるようになると、いろいろな自治体から講演の依頼をいただくようになった。

 初めのうちは、講演に行って自慢げに邑南町の取り組みを話すと、それなりに気分がよかった。だが、「邑南町ではこんな取り組みをやっています」的な話を続けていくと、講演を実際に聞きに来てくれたに人に対して自慢話ばかりしているようで、とんでもなく、かっこ悪いと思うようになった。聴講者も「これは、よその町でやっている別次元の話で、自分たちにはできない」と講演後に僕の所まで来て嘆く人まで現れてきた。

 そんなころに島根県隠岐諸島の西ノ島町の福間章仁さん(現・観光定住課長)から1本の電話をもらった。平成25年9月のことだ。
 西ノ島の福間さんと言えば、当時、島根県内で地域振興を担当する県職員や市町村職員で知らない人はいないほど名声をとどろかせていた人だ。「スーパー公務員」と書きたいところだが、少し違う。「島根のダジャレ王」なのである。

 とにかく、よく思いつくなーと言うほど、言葉の端々から「ダジャレ」が飛び出す。
 福間さんがどんな「ダジャレ」を発したかをここで、書こうと思ったらまったく記憶に残っていないのである。そうか、影響力もなかったんだー、と思うが、彼はそのユーモアセンスで、県内の会議などでは圧倒的な人気者でムードメーカーである。僕はそれまで、直接、話はしたことがなかったが、電話をもらったときは、異常に距離感を近く感じた。

 福間さんの電話の依頼は「西ノ島町で食のフォーラムを企画するので、講演とパネルディスカッションをして欲しい」というものだった。
 西ノ島町はスキューバーダイビングで何度も行ったことがあり、大好きな場所だったから福間さんからの依頼を二つ返事で了解した。

 そのとき、フォーラムで対談したのが「はっぴい」の道前千志(どうまえ ちゆき)さんだ。
 彼女は地元の女性グループで、地元漁港で水揚げされたアジをメインに白イカとトビウオを組み合わせたヘルシーバーガーを「スリーミーバーガー」と名付け、地元を中心に販売して、地域を元気にしていた。

 道前さんの話を聞いていると、インターネットショップ「みずほスタイル」を立ち上げたときの僕の状況と重なることが多かった。
 「いくらよいものを作っても、どこにどうやって売ってよいかわからない」
 この悩みは、僕や「はっぴい」だけではなく、地方の生産者は多かれ少なかれ共通すると思う。

 それでも邑南町は、クルマを1時間半走らせれば、100万人都市の広島がある。でも西ノ島は離島で、島根半島の境港や七類港までフェリーで2時間半近くもかかってしまう。下手をすれば、海外旅行するよりも時間がかかってしまう。天候が悪ければ2、3日、足止めされることも珍しくない。

 僕は彼女たちになんとかアドバイスができないかと、頭をフル回転させたが、良い知恵が浮かんでこない。結局、そのときは、その年の11月に鳥取の大山で開催される「バーガーフェスタ」に手伝いにいくことを約束しただけに留まった。

 「無力」を感じるとき、すごく寂しい気持ちになる。だが僕はそんなとき、とにかく何でもよいから、思いついたまま動くようにしている。動けば、心の寂しさを忘れることができるし、動く先に何か新しい発見が必ずあると信じているからである。

 11月3日、約束どおり大山のフェスタに顔を出した。
 「はっぴい」のメンバーも福間さんも、そして副町長まで一生懸命、店頭で声を出して、売っていた。その成果が認められ、フェスタ終了後、特別賞の「じゃらん賞」を受賞した。この瞬間、僕は本当にこの西ノ島町の人たちと何か一緒にやりたいと思った。

 邑南町の職員が、他の町の仕事をするなんて、他人が聞くとまるで道理に合わない話なのだが、僕は真剣に考えるようになった。
 邑南町でやっている<A級グルメ構想>の取り組みを全国の同じ悩みを持つ地域とともに歩んで、課題を一緒に解決したいと思うようになったのだ。

 それから6年が経過して、紆余曲折はあったけれども「A級(永久)グルメのまち連合」として具体化したのである。いわば、この西ノ島町の「はっぴい」のメンバーの素敵な笑顔が、連合発足のきっかけだった。

 そして、最初にこの「A級(永久)グルメのまち連合」プロジェクトに参加して、邑南町と一緒にやってくれると言った自治体も西ノ島町なのである。
 だから僕は、この西ノ島町の魅力をなんとか全国に発信したいという気持ちはひときわ強い。今回、連合結成後に訪れたこの取材で何か成果を得ようと、僕は必死だった。ここまで、チャンスを僕にくれた西ノ島町の人の笑顔が見たい。

 今回の取材をアテンドしてくれたのは、福間さんではなく、役場の若手職員の三角さんだ。僕は当初、役場の職員と言えば「福間」さんのイメージしかなかったが、最近が西ノ島町役場も世代交代しつつあるのだなとも感じたし、今回は、福間さんや山根さんが所属する観光定住課だけではなく、産業振興課の伊藤さんや村上さんも関わってきてくれたので、「A級(永久)グルメのまち連合」の取り組みに、役場内の連携も整備されてきて、ほんとに良い傾向になっているなと思った。
(つづく)

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