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事例を知る 人事

#地方公務員が気になるニュース 令和7年12月31日(人事)

記事タイトル:“公務員でもクビになる時代” 五條市役所で初の分限免職、当該職員が語った「私だけ当たりが強かった」処分は妥当だったのか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e535f07552f630204753bcad2d318bd22fca9a2
(文=濱野 達哉)

さて、今回はこちらのニュースを取り上げたいと思います。
「市役所に採用された職員が、条件付採用期間中に分限免職処分を告げられた。長年、クビにならないと言われ続けてきた公務員だが、能力不足を理由に分限免職処分になるケースが各地で増加している」という内容です。

分限処分とは

公務の能率の維持及びその適正な運営の確保という目的から、一定の事由がある場合に行われる職員の意に反する不利益な身分上の変動をもたらす処分を指します。

この分限処分としては、降任、免職、休職、降給の4種類が地方公務員法に定められています。なお、降任、免職、休職については、どのような事由がこれに該当するか法に定めがありますが、降給については定めがないため、必要に応じて各自治体が条例で定めることになります(法定されていない休職の事由について規定する場合も条例で定めることになります)。

条件付採用期間とは

「職員の採用は、全て条件付のものとし、当該職員がその職において六月の期間を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のものとなるものとする。」と地方公務員法第22条に規定されており、一般企業でいうところのいわゆる試用期間にあたります。なお、この条件付採用期間は、規則を定めることで、1年を超えない範囲内で延長することができます。

この条件付採用期間中の職員については、地方公務員法上の分限処分に関する規定が適用除外となっており、任命権者の裁量で自由に処分ができると思われる方もいるようですが、裁判例をみると決してそうとはいえません。

条件付採用職員を勤務成績不良により分限免職処分とする場合について、判例では以下の判断が示されています。

分限処分事由への該当性の判断については、任命権者に相応の裁量権が認められるものの、その裁量権は純然たる自由裁量ではなく、当該処分が合理性を有するものとして許容される限度を超えた不当なものであるときは、裁量権の行使を誤った違法なものになる。(最高裁判所昭和 49 年 12 月 17 日第三小法廷判決)

また、別の判例では以下の考えも示されています。

当該職員が現に就いている職位に限らず、異動の可能な他の職位を含めて地方自治体の職員としての適格性を欠くか否かを厳密、慎重に判断する必要があるものと解される。(最高裁判所昭和 48 年9月 14 日第二小法廷判決)

つまり、条件付採用職員とはいえ、勤務成績不良により分限免職処分とするためには、「単なる不満や印象ではなく、客観的・合理的な勤務実績不良等の事実」や「改善の機会や代替措置を検討したにもかかわらず改善が見込めないと判断するに足る事実」が求められることとなります。


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