インタビュー

【前武雄市長 樋渡啓祐氏:第4話】抜擢人事はエースではなく、人柄(ガラケー)

樋渡啓介4

抜擢人事はエースではなく、人柄(ガラケー)

加藤:ちなみに、抜擢人事でエースは出さないって仰ってるじゃないですか。

樋渡氏:出さない出さない。

加藤:その中で、エースではないかつ、どういう軸で選んでいるんですか?

樋渡氏:人柄。ガラケー。これねCCC社の採用方針も人柄なんですよ。

加藤:あー、そうなんですね。

樋渡氏:それちょっと増田さんから聞いてさ、俺らもそれでいこうと。「『TTP』イコール『徹底的にパクる』」でいこうと。人柄の良いやつに仕事を任せると本人はすごい嫌がるんだよね(笑)。だけど、「お前はガラケーだ」と。「人柄のみで食ってるんだから四の五の言うな」って言うとうまくいくんだよね(笑)。ていうのはみんなが助けてくれるから物すごく伸びるんですよ。

 でね、教える方も伸びる。病院の時はエースを投下したんだよね。それでうまくいったんだけど、なんか違うなと思ったんですよ。これ、人材育成になってないなと思ってたんで、ちょっと色々と相談していたら増田さんから聞いて、人柄で採用してるっていうからさ、人選も人柄にして、ガラケーを投入してということなんですね。お前は人柄で食っていけっていうのは市役所に何人もいるからさ(笑)。

加藤:確かにそういう身近で人に好かれる人が成功すると、ロールモデルになりますよね。

樋渡氏:「じゃあ、俺も!」ってなるんだよね。自分たちの中からスターを生み出すって。スターからスターは生み出せないんですよ。よくね、自分で言うのもなんですけど「樋渡さんみたいな人が出てくればいいですよ」って言われますが、出ませんから。僕なんて突然変異ですよ(笑)。

 だからこそ取材に来られていると思うんだけど、誰も僕の事を目標だと思わないから、元々政治家だしさ、もう望まれない婿養子で来ているようなもんだからさ。それよりも公務員のスターというのはどうやって作るかっていうと、公務員がスターになって、公務員の仲間からスターが出てきてさ。

加藤:確かにそうですね。他の自治体でも抜擢する際にイメージしやすいかもしれないですね。人柄による人選というのは。

樋渡氏:だから、皆さんがもしメディアとしてやるならそういう人に、後藤さんとかさ、そういう人に着目すると良いよ。後藤さんには底知れぬ魅力がやっぱあるもんね。これはね、会って話をすれば一発でわかる。本質的に頭良いんだよ彼は。しかもメチャクチャ性格も良いし、みんなから好かれる。

 彼の運営する東北オフサイトミーティングでね、僕に対して相当酷い不手際があったんだよね。僕はそれに対して珍しく猛烈に怒って、「二度と東北オフサイトミーティングに関わらない」って言ったわけ。それを誰かから聞いた後藤さんが、わざわざ車か電車で5時間か6時間か知らんけど来てさ。でも、それは彼個人の責任でも何でもない。しかし、出来る人ってのは時間を割くんだよね、時間を。自分の貴重な時間をね。お金を割く人もいるけど、それよりも時間を割く。まあ後藤さんも典型だったよね。益々さ、この人はすごいなって思ったもん。僕なら絶対、お金で済ませます(笑)。

加藤:ちょっとタイプが違うわけですね(笑)。

樋渡氏:割と持ってますから(冗談笑)。

今後一緒に仕事をしたいのはプロフェッショナルで、結果を出す人

加藤:そうすると、今後もし樋渡さんの下で修業したい、働きたいという方がいる時にはそういう人柄が良い人と一緒に働きたいと思われていますか。

樋渡氏:いや、そうは思わないね。僕は今ね、今自分がこうなっているからプロと働きたいね。プロの予備軍と言うか、プロフェッショナルと。で、絶対僕より能力の下の人とは働きたくない。潜在的能力を含めてね。それを言ったらさ、周りの人に「樋渡さんよりも能力高い人間って沢山いますよ」って言われて(笑)。「すいません」って(笑)。

加藤:ちなみに、樋渡さんのお考えになる能力って言うのはどういうものが一番・・

樋渡氏:結果を出す。

加藤:なるほどですね。

樋渡氏:もう、わかりやすいじゃないですか。例えば僕がNHKの集金やっていたときに、最初鳴かず飛ばず。だけど、超スーパー集金人をTTPしてさ。全部、食べるものからさ、服からさ、全部真似たわけですよ。お前、STAP細胞でできているのかってぐらい完璧にぱくったわけですよ。そうしたらもう、稼げるわけですよ。リズム感から全部真似するから。

 そして、偉そうなこと言って取れなかったのに今は取れるってなったら、周りの目が変わるんだとその時に悟った。もう結果が全て。わかりやすいじゃないですか。

加藤:そうですね。

樋渡氏:で、僕の役割ってのは結果を出せる人をさらに出せる状態に持っていきたい。場合によっては、フランスの三ツ星レストランに修行に行く人がいるじゃないですか、その後で僕が1年2年囲い込んでというのはあるかもしれない。もしくは、皆さんと組んで、何かビジネスするってのもあるかもしれない。

加藤:結果やそういう感覚も含めて、民間の持つ視点をかなり強く持たれているイメージがあるんですが・・

樋渡氏:元々孫さん(ソフトバンクグループ代表)がさ、「ベンチャーの社長みたいだよね」って言ってるんで。それが、たまたま市長やってるだけじゃないかって。それは、橋下徹も同じこと言ったもんね、僕に。「全然、政治家っぽくないですよね」って。「いや、あんたに言われたくないですよ」って言いそうになったけど(笑)。だからそれよりも、何て言うのかな。さっきの話に繋がるんだけどね、質問なんだったっけ?ごめん(笑)。

加藤:感覚的には民間みたいな、プロ経営者のような視点を意識しているんでしょうか。

樋渡氏:いや全然、それは全然興味ないんだよね。だから、僕は自分が価値を生みたいってだけだからさ、僕は大学の客員教授でもあるわけなんですよ。関西学院大学の大学院。客員教授でもあって、色んな社外取締役もやってて、経営もしてさ、もうそういうのは全然関係ないです。僕のパーソナルそのものがどういう価値を産むかだけ。だから、民間を取り入れたりとかってのは、そりゃ市長の時から取り入れていたし、役所の良いところを取り入れたしさ。そういう意味でいうと、僕はすごくローリングストーンズに影響を受けているけれど、彼らの音楽と一緒なんですね。

自分流に咀嚼し、解釈して、また世の中に提示する

樋渡氏:その時々の、例えばディスコの音楽が流行った時は、彼らはそれを取り入れてさ、ローリングストーンズ流に解釈しているんだよ。だから、ポップがすごく流行った時はさ、ローリングストーンズ流にポップを解釈して、世の中に出しているってそういうイメージに近いよね。鉄胃袋だよね。

 で、僕も世の中の流れを鵜呑みにするんじゃなくて自分流に咀嚼して、解釈して、また世の中に提示する。だから、一体何者ですかって言われる(笑)。投資やったりさ、「何してんですか」って(笑)。

加藤:そうですね。臨機応変に幅広く色々なものの本質を掴んで、それに対する施策を実践されているように見えます。

樋渡氏:色んなものに影響を受けますよね。ちょっと先ほども言ったけどさ、橋下徹とずっと一緒にいたことがあって、帰ってきたら橋下徹節になってるもんね。孫さんと3日3晩一緒に福島にいたことがあって、帰ったら孫さんみたいになってるしね。だから全然、自分ていうのがないんだよね。

加藤:それは意識をして取り入れているんですか?

樋渡氏:いやー、リズムで入ってくるんだよね、リズムで。僕は、音楽の歌詞とかわからないもんね。うん。全部リズムで入ってくるからさ。

加藤:ある種のアーティストみたいに、無意識で良いものは取り入れているみたいな感覚に近いですかね。

樋渡氏:あー、そうかも知れないですね。

地方自治体と民間企業とのプロジェクトに障壁はない。みんなが勝手に壁だと思っているだけ

加藤:また次の質問に移りたいんですけど、民間企業が地方自治体が共同でプロジェクトを行なっていることが増えています。もっと増えていくことがプラスになると思っているんですけど・・

樋渡氏:プラスだと思いますよ。だから、壁とか作らずにさ、どんどん組めるところと組んでいくってのが大事。もう組むことが最大の付加価値ですよ。組むのとスピードね。

加藤:その上で、障壁になっているものはなんですか?

樋渡氏:ないですね。みんなが壁と思っているだけですよ。本当にみんなが壁って思っているだけ。でも僕が通ったらさ、普通に通れるわけよ、だからみんなから見ると「あれ?」とかって思われる。

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