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楽天と自治体の連携にみる地域活性化の手段

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 中小企業庁、関東経済産業局及び中小企業基盤整備機構が11月24日に『創業促進フォーラム2017~地域活性化に向けた創業支援の取組について~』を全日通霞が関ビルディングで開催した。基調講演では「Eコマースを活用した地域活性事例」と題して、楽天株式会社地域活性課シニアマネージャー塩沢友孝氏、飛騨市役所企画部地域振興課 土田憲司氏、矢巾町企画財政課 吉岡律司氏、鰺ヶ沢町政策推進課 保村一介氏らが登壇した。

 現在、楽天は上記3自治体を含め、26の自治体(11道府県13市2町)と包括連携協定を結んでいる。主な連携方法としては、「PR・販売の支援」「ファン化の支援」「地域人材のIT教育・育成」などがある。同社は楽天市場や楽天トラベルをはじめ、70を超えるさまざまなサービスの利用履歴や行動特性を把握しているため、さまざまなマーケティングが可能となることが強みであるという。

創業支援フォーラム 2

(左から)鰺ヶ沢町 保村一介氏、矢巾町 吉岡律司、飛騨市 土田憲司氏

 楽天と3自治体との具体的な連携事例が発表されたが、珍しい取り組みとして飛騨市の「飛騨市ファンクラブ事業×楽天Edy」という事業がある。飛騨市は「過疎先進地を過疎脱却先進地にしたい」と打ち出し、創業支援やECとは異なる新しい取り組みを楽天と行っている。

 具体的には、楽天Edyを飛騨市オリジナルのカードをファンクラブの会員証として発行する。そのカードを提示することで市内の協力店で特典が得られるということもあり、10月末時点で1543人が入会した。そのうち、901名が飛騨市外の会員だということも注目だ。飛騨市としてはファンクラブ会員を有力な市の顧客にできる上、楽天Edyカード利用額の0.1%は楽天から飛騨市に寄付される。

 また、岩手県矢巾町は2月に楽天と包括協定を結び、地域事業者の販売ノウハウの向上、事業者間コミュニティーづくり、楽天市場のふるさと納税、楽天トラベルなどを活用したECの活性化、地域の認知度向上に取り組んだ。

 同町はイーコマースを利用して地域外から稼ぐこと、いわゆる外貨獲得を目指しているが、意識している点として役所の補助金に頼らず、地元企業に自走してもらうことに主眼をおいている。

 同町の吉岡氏によると、以前は「補助金ありませんか?」と役所に来る人が多かったが、その補助金を使った後には何も残らないということが多かった。しかし、今の二代目世代の若社長などは、役所とお金のかからない連携についても相談をしてくるようになったという。「役所の旧態依然とした補助金などのスキームは時代に合わなくなってきたと思う」という同氏の言葉が印象的だ。

 地域に仕事を増やすには、その地域企業が人を雇えるだけの売上を伸ばすこと、もしくはコストを抑えることが求められる。日本全国で高齢過疎化が進む厳しい環境ではあるが、テクノロジーの進化は世界中で絶えず続いている。イーコマースのような売上を伸ばす新たな手法、もしくはシェアリングエコノミーのようなコストを抑えていくような新しい手法に、地域企業やそれを支援する自治体が対応していくことが望まれているのではないだろうか。(記=加藤年紀)

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