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HOLG編集室

著者が語る「一発OK!誰もが納得!公務員の伝わる文章教室」(葛飾区・工藤 勝己)

(文=葛飾区・工藤 勝己)

このたびは、拙著『一発OK!誰もが納得!公務員の伝わる文章教室』についてご紹介させていただく貴重な機会を賜り、誠にありがとうございます。このご縁に感謝し、心から御礼を申し上げます。

1.文章を書くスキルは公務員の強みになる

 平成25年、私が管理職になって6年目のことです。
 東京の下町・葛飾区立石で、市街地再開発事業を担当することになりました。当時は反対住民も多く、「どうせ進まないだろう」という閉塞感が、地域にも庁内にも漂っていました。人事異動の内示を見てショックを受けたあの日のことが、今でも鮮明によみがえってきます。当時の部長からは、次のような過激な言葉で激励されたのを記憶しています。
「この事業を動かすのは死ぬほど大変かもしれないけど、死ぬことはないから」。

 着任早々、反対住民を支援する複数の団体から毎日のように届く区長あての手紙や質問状、そして情報公開請求。これは大変なところに来てしまったなと思いながら、常に緊張感を持って仕事をしていました。
 どのような事業でも同じだとは思いますが、反対運動が組織化されているような現場では、手紙や質問状に対する回答も特に神経を尖らせて書かなければなりません。担当職員が書いた文章を細部まで確認し、校正・推敲する日々が続くことになります。文章に対する苦手意識があったなら、ここで過ごした7年間、私には務まらなかっただろうなぁと回想しています。

 ある日、どうしても会えない住民、会ってくれない住民に、どのようにアプローチするかという重い課題に直面します。
 何度訪問しても開かないドア。インターホン越しには話せるものの絶対に書類は受け取れないと主張する住民。
 偶然にも玄関先で会えて「やっと受け取ってもらえた!」と、心の中でガッツポーズしたのも束の間、目の前でポイッと捨てられるか破られてしまうのも珍しいことではありませんでした。
 当然といえば当然です。自分たちの財産がどうなるのかという不安、街がどうなってしまうのかという疑念、その大きさは私たち公務員の想像をはるかに超えていたはずです。

 疑念や不安を少しでも和らげるために、「文章に宿る力を借りてみよう」「心を込めて手紙を書こう」と思った私は、即実行に移します。より良い街にしたいという熱い思いを誠実に綴った直筆の手紙を届け、粘り強く戸別訪問を続けていると、頑なに閉ざされていたはずの重いドアがいつの日か開くようになってきたのです。

 市街地再開発事業の認可申請をするためには、100人を超える権利者の3分の2以上が同意書に実印を押さなければならない、そのような厳しい法定要件があります。幸いにも優秀な職員に恵まれてこの厳格な要件をクリアできたことで、いよいよ東京都知事から事業が認可される見込みとなっています。
 文章に宿る力は、困難な状況を打開しようとする私たち公務員のために働いてくれます。そして、書くスキルは公務員の強みになることを実感できた貴重な経験です。

「一発OK!誰もが納得!公務員の伝わる文章教室」1

2.昇任試験の合格は「目標」であり「目的」ではない

 昇任試験の合格を目指して、職場の上司に論文の添削指導をお願いしている人は多いと思います。
 葛飾区の主任試験では、法令の基礎知識を問う択一試験に加え、1,000字程度の論文試験が課されます。合格率20%の難関を突破しようとする受験者たちに、「長い文章を書く」という難題が突きつけられることになります。
 9月に実施される一次試験に向けて、例年5月から論文の添削指導を始めますが、添削指導の対象となる職員の数が多い年は、週末のほとんどの時間を添削に充てています。合格した職員の素晴らしい笑顔を見るために、添削者も妥協することはできません。

 しかし、職員が書いた文章の問題点をズバリ指摘し、丁寧な指導を繰り返しながら合格に導いたとしても、合格後に仕事で書いてもらった文章を読んでガッカリさせられることも少なくありません。なぜなのでしょうか?
 受験者の意識が「合格できる論文を完成させること」に向き、「試験に合格すること」に特化した対策になっているからだと私は推測しています。添削指導の段階で、「文章力を向上させたい!」「一生モノの書くスキルを手に入れたい!」という思いを受験者本人が強く抱いていなければ、試験までの短い期間で文章力を仕事に活かせるレベルまで向上させることはできないのだと思うのです。

 書店には、合格論文を書くための指南書が所狭しと並んでいますが、昇任試験に合格した後にも仕事で活用できるような公務員向けの文章術の本はありません。
 常に職場のデスクの傍らに置いて、仕事で文章を書く際に目次を確認し、いつでも目的のページを開ける実用的な本があったらいいなぁと考えたのが、本書を執筆するきっかけとなりました。
 国や自治体の現場でやり取りされているリアルな例文をもとに、問題点を指摘しながら丁寧な解説を施しましたので、昇任試験を受験する中堅職員だけでなく、若手から係長・課長まで役職や世代を超えて役立ててもらえる内容になったと思っています。

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3.自分が「最後の砦」という意識を持つ

 日頃私たちの職場では、通知文や依頼文、制度案内など様々な文書が作成されています。しかし残念ながら、職場内で十分なチェックもされずに外部に発信されている文書も少なくありません。
 簡易な事務連絡の文書であっても、決しておざなりにできるものではありませんが、議案や議会報告資料などに誤植や表記ミスがあると、議会軽視という厳しい批判も免れないこととなってしまいます。
 国会に提出された法案や条約に多数の表記ミスが見つかり、国会の審議が中断されて政府側が釈明や陳謝を繰り返すといった事態が、様々なメディアで報じられています。これは、決裁過程のチェックだけでは、先入観や思い込みによるヒューマンエラーを完全に防止するのが難しいということを、私たちに示唆しているのだと思います。
 行政文書を作成する責任を強く自覚し、自分が「最後の砦」だという意識を持って誠実に業務を遂行しなければならないと、自戒するようにしています。

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4.感性を磨くと文章が光る

 文章がうまくなる秘訣はありますか?
 このように聞かれることがあります。うまい文章に学び、文章を好きになることが一番の近道ですが、それだけでは説得力がある文章を書けるようにはなりません。
 本書では、「感性を磨くと文章が光る」という私の持論を紹介し、感性を磨くために私自身が日頃から実践していることを、6つのコラムでご紹介しています。

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5.全国の公務員仲間に向けたメッセージ

 言葉を紡いで文章にする。これは人間だけに与えられた特権です。この特権を皆さんにも謳歌してほしい。そんな願いを強く抱きながら、私はこの本を書き上げました。
 職場のデスクの傍らに置いてボロボロになるまでご活用いただき、「一生モノの書くスキル」をぜひ手に入れてください。

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▼書籍の詳細はコチラ
(学陽書房HP)http://www.gakuyo.co.jp/book/b564785.html

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