インタビュー

3年の運営を経てHOLG.jpが本になりました

なぜ、彼らはお役所仕事を変えられたのか3

(文=HOLG.jp編集長 加藤年紀)

 HOLG.jpは2016年7月に誕生しました。「地方自治体を応援する」というコンセプトで、地味派手問わず、様々な領域で活躍する公務員を取材してきました。そしてなんと、大変ありがたいことに、この度、HOLGの取り組みが書籍になりました!
 振り返ると、「なんだこのウェブサイト?」と揶揄されることもありましたし、いまでもそういうこともあります(笑)。そして、ビジネスとしては明らかに儲からない領域なので、「やめないでくださいね」というお声を頂くこともありました。

 ありがたいことに、公務員を応援すべき立場のHOLGが、いつしか、逆に公務員、さらには民間人からも応援いただくようになりました。そのお陰で、どうにかこうにか、出版という一つの大きな節目を迎えることが出来たと感じています。本を出版させていただく機会があるなどとは、思いもよりませんでしたが、今までにない新しい書籍が誕生したことを嬉しく思っています。

 本のタイトルは「なぜ、彼らは『お役所仕事』を変えられたのか?――常識・前例・慣習を打破する仕事術」です。10人のイノベーティブな公務員が「常識・前例・慣習」を乗り越え、組織の中でやりたいことを実現するヒントが盛り込まれています。下部に載せている目次をご覧いただいてもその片鱗が浮き彫りとなりますが、成果を高めるためにどのように考え何をしたのか、という分析的観点が強い本になっています。

内容について

 本書は第1章から第6章まであります。「第1章 公務員だから活躍できる」では、シティプロモーションの山田崇(塩尻市)さんと、観光課でバナナ姫の中の人となった井上純子(北九州市)さんのお話です。公務員の壁を破壊し続けているお2人から、公務員であることの強みを活かした活動を見ることができます。公務員の持つ信頼やイメージを利用することができるという事例です。

 「第2章 どんな仕事も改善できる」では、徴収担当として徹底した対応を行った岡元譲史(寝屋川市)さん、児童相談所で大きなイノベーションを起こした鈴木浩之(神奈川県中央児童相談所)さんのお話です。地味な領域やルーティンは改善できないと言われますが、その状況を打破しています。

 「第3章 冷静と情熱、緻密さと大胆さ」では、会計士として任期付で役所に入った山本享兵(和光市役所)さんと、水道事業のパイオニアである菊池明敏(岩手中部水道企業団)さんが、冷静かつ緻密に積み上げたエビデンスを情熱持って大胆に進めていく様子が描かれています。多くの人がボトムからの変革の難しさに悩まれると思いますが、そういった方に読んでいただきたい章です。

 「第4章 官と民の視点を操る」では、民間からの転職で苦労した大垣弥生さんが、どのようにして成果を上げるようになったのか。そして、民間人との付き合いを続け、民間企業に出向した経験のある黒瀬啓介(平戸市)さんの、ふるさと納税日本一の経緯を追っています。2人に共通して言えたのは、官民の壁を作らずフラットに、だけれども魂を込めて自身の哲学を行動に移したことのように思います。民間からの転職者は増加しており、参考になる人も多いのではないでしょうか。

 「第5章 公務員・行政の可能性を信じる」では、現中野区長である酒井直人さんが、元々は職員時代に進めた改善を徹底して進める姿があったこと、そして、公務員の働くモチベーションを支える神奈川県庁の脇雅昭さんのお二人から、全ての公務員に眠る大きな可能性を示唆しています。

 「第6章 常識・前例・慣習を打破して、公務員像をアップデートせよ!」では、活躍する10人の公務員が行動で示した、成果を上げるための考えや行動についてまとめています。

※予約販売受付中(画像をクリックするとAMAZONのページに移動します

 また、大変ありがたいことに、現職の市長である、倉田哲郎-箕面市長、小紫雅史-生駒市長、東修平-四條畷市長、熊谷俊人-千葉市長から、次世代の公務員へのエールとなるようなコラムを寄稿いただきました。常々、公務員は個人が尊重されることが少ないと感じていますが、個としての公務員を意識する首長の姿は、頑張る公務員を後押しする力になるのではないかと考えています。

【目次】

はじめに――公務員には、世の中を変える力がある

第1章 公務員だから活躍できる

♯01 公務員という後ろ盾があるから、挑戦できる
 ―― 山田崇(塩尻市) / シティプロモーション

○大企業と研修プログラムを開発し、関係人口を増やす
○住民・企業ニーズに向き合い、その架け橋となる
○一番腹が立ったのは市役所の職員
○「地域で挑戦する若者」を応援する大人を増やせ
○役所はちょっと頑張れば、すぐに頭が出る
○自分自身が公共のような存在でありたい

♯02 使命感を持って、好きなことをやる
 ―― 井上純子(北九州市) / 観光

○限られた予算で効果を最大化―会議でコスプレ企画が決定
○「公務員」×「個性」――ギャップを活かして尖らせる
○いきなり、NHKの全国放送「ニュースチェック11」に登場
○メディアのニーズを汲み、WIN-WINの関係をつくる
○逃げるように帰った、孤独な職員表彰
○子育てが終わったときに、何も残らない人生にはしたくない
○バナナ姫の復活――YAHOO! のトップページに掲載
○税金を使わず活動――支援金額は50万円超
○バナナ姫は公務員だから応援してもらえた

第2章 どんな仕事も改善できる

♯03 目の前の仕事に誇りを、目の前の仕事に全力を
 ―― 岡元譲史(寝屋川市) / 徴収

○滞納繰越額を20億円以上圧縮――職員の意識も変化
○税金で食っているからこそ、市民全体のために仕事をする
○払わない人が得するなんて不公平――お願い徴収からの変革
○同僚と良好な関係を築き、周囲のサポートを得る
○気迫を込めてマニュアルを作成――他自治体にノウハウを共有
○本業で成果をあげ、異なる課題に手をつける
○「お前の顔に火つけたるわ」――恐怖に心折れないために
○徴収職員は悪魔ではない――徴収の仕事に誇りを

【COLUMN1】世界は変わっている。公務員も変わらなければならない/倉田哲郎(箕面市長)

♯04 学びと実践の先に、突破口は必ずある
 ―― 鈴木浩之(神奈川県) / 児童虐待

○根本的な課題を捉え、本質的な解決策を問い続ける
○家族に寄り添うことを可能とする、海外手法の導入
○取組みの成果を可視化し、分析を繰り返す
○新たな取組みを進めるには、過去を否定しない
○忘れられない一言「お前が担当する子どもは不幸だ」
○怒鳴られることも必要なプロセス

第3章 冷静と情熱、緻密さと大胆さ

♯05 ボトムアップで組織を動かす
 ―― 山本享兵(和光市) / 公会計

○自分が役所に転職して、先進事例をつくればいい
○目的と手段を混同しない
○物事が変わるのは、人の気持ちが変わったときだけ
○役所の中で気軽に声をかけられる人を50人つくる
○「生情報の収集」「持続力」「プログラミング思考」
○自治体で働く公認会計士のロールモデルになりたい

【COLUMN2】挑戦する公務員が「当たり前」にならなければならない/小紫雅史(生駒市長)

♯06 不都合な真実を伝える覚悟を持つ
 ―― 菊池明敏(岩手中部水道企業団) / 水道

○会議設計のこだわりが、突破口を開く
○緻密なシミュレーションを根拠に、粘り強く提案
○先頭から見える景色は、二番手には見えない
○自分を超える若い奴らが出てくると面白い
○「水道事業体の9割は黒字」はフェイク
○修羅場で触れた「水道人」の矜持

第4章 官と民の視点を操る

♯07 市民をまちの当事者に変える
 ―― 大垣弥生(生駒市) / 広報・市民協働

○「民間経験者のお手並拝見」という空気
○小さな改善の積み重ねで、信頼を獲得する
○信頼があるからチャレンジできる
○「誰かに寄りかかっていればいい」というマインドを叩き直す
○まちを好きになり、まちに関わってもらうスイッチを押す
○常に新たな市民を仲間にする
○毎年、新しい取組みにチャレンジする

【COLUMN3】公務員戦国時代の到来/東修平(四條畷市長)

♯08 予算ゼロだからこそ、始められることがある
 ―― 黒瀬啓介(平戸市) / ふるさと納税

○予算がゼロでもやれるところからやる
○事業者と対等な関係で協働する
○カラープリンターを使ってカタログを手づくり
○寄附者ファーストの追求――どこの自治体でもやらないことをやる
○ふるさと納税で儲けようという事業者は参加しないでほしい
○ふるさと納税は、生産者の人生を背負う
○民間企業への出向を市長に直談判
○出向で感じた自治体のゴール設定の甘さ
○とことん真剣に公務員をやろうぜ

第5章 公務員・行政の可能性を信じる

♯09 小さな成功体験が未来を拓く第一歩
 ―― 酒井直人(中野区) / 業務改善

○小さな成功体験が大きく未来を変えた
○システム導入と同時に規程を改定
○「変えられるもの」と「なくせるもの」を精査する
○組織全体に改善の風土を根づかせる
○公務員は不作為病にかかっている
○役所は職員のモチベーションまで考えなければならない
○目の前の仕事を徹底することは、回り道ではない

【COLUMN4 】公務員にしか救えない人がいる/熊谷俊人(千葉市長)

♯10 公務員の志が、世の中を変える
 ―― 脇雅昭(総務省・神奈川県) / モチベーション

○自治体職員への恩返しとして「よんなな会」を開催した
○熱量が仲間をつくる
○忙殺されている公務員が志を高めることのできる場
○安定と言われる公務員だからこそチャレンジする
○公務員がカッコイイと思われる世の中をつくりたい

第6章 常識・前例・慣習を打破して、公務員像をアップデートせよ!

○公務員による公務員バッシングという不思議
○人事制度は語る――公務員は今も昔も「駒」である
○「常識」を疑え――非常識な取組みに耐え得る「信頼残高」を獲得せよ
○「前例」を使い倒せ――未来は前例から見通せる
○「慣習」に眠る改善の余地――業務の本質を突き詰めろ
○役所のイノベーションを阻む最強の殺し文句「標準化」
○やりたいことを実現する方法は、2つしかない
○自己承認欲求という落とし穴
○あなたが変えられるものは何ですか
○公務員の仕事に誇りを持ち、公務員像をアップデートする
○公務員は、「世の中」を変えることができる

おわりに――公務員の「可能性」を信じて

出版のお礼と予約販売について

 改めてとなりますが、いつもHOLG.jpをご覧いただく皆様のお陰で、出版することができました。この場を借りてお礼を申し上げます。

 本書は既に予約販売がすでに始まっています。可能であれば、手に取っていただけたら嬉しいです。多くの方にお読みいただければ、若手編、係長編、課長編、女性編などへの道も拓けるのではないかと勝手に信じています。

 余談ですが、私が一番興味があるのは、公務員の能力を引き出すような、活躍する人事担当者です。そういう方が皆さんの周りにいらしたら、いつでも紹介して下さい!よろしくお願いいたします!(※書籍の画像をクリックするとAMAZONのページに移動します)

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https://camp-fire.jp/projects/view/111482
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・時間、場所、費用にとらわれず、月に2回活躍する地方公務員や首長、著名人のお話を聞くことができます
・地方公務員が大手メディアに寄稿することが可能となります

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