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自治体が無料で利用できる 空き家対策の仕組み提供が開始

井上高志 樋渡啓祐 鈴木康友

 7月19日に株式会社LIFULL(ライフル)が国土交通省のモデル事業『LIFULL HOME’S空き家バンク』に関する記者会見を行った。記者会見には同社代表の井上高志社長、同社と提携を行った『一般社団法人全国空き家バンク推進機構』の樋渡啓祐理事長、また、その仕組みを利用予定である鈴木康友浜松市長が出席した。

本日から自治体による物件登録の申込みが可能

 『LIFULL HOME’S空き家バンク』は、所有者から空き家情報を収集している自治体と、それを利活用したい個人や事業者などをマッチングするウェブ上のプラットフォームを目指し、9月にβ版のリリースを予定している。

『LIFULL HOME’S空き家バンク』デザインイメージ(開発中)

 『LIFULL HOME’S空き家バンク』に掲載するためは、自治体による物件登録が必要となる。そのため、掲載が想定される物件は、各自治体が独自に運営する空き家バンクに既に登録されている物件や、オーナーから自治体に対して、新たに相談や依頼のあった物件となる。また、空き家だけでなく空き地も掲載の対象となる。※自治体の行う物件情報の登録申込、相談は本日からコチラで可能。

市長が感じる 空き家問題に対する危機感

 全国的に空き家は増え続けており、2013年に820万戸だった空き家(※総務省統計)が、2033年は2167万戸になると推計されている(野村総研予測)。また、820万戸と推計される空き家のうち、賃貸用、売却用、別荘利用を除いた、いわゆる、未活用物件と言われる数は約318万戸にのぼる。

 現職の浜松市長である鈴木氏、そして、前武雄市長で『全国空き家バンク推進機構』理事長を務める樋渡氏はともに、空き家問題に対しての危機感を吐露した。

 現在、約700の自治体が既に個別の『空き家・空き地バンク』と呼ばれるデータベースを作っているが、潜在的な利用希望者に向けて広く発信ができていなかったり、公開している情報の項目も少ない。具体的には、写真が見られなかったり、おおよその所在地を地図上で確認できないものも多い。

 そこで、『LIFULL HOME’S空き家バンク』を利用することで、より広く情報発信ができる点だけでなく、ユーザーが細かな項目を見て比較検討することが出来るようになり、全国における未活用物件を有効化することが可能となることを期待しているという。

1週間で77自治体の首長が賛同

 『一般社団法人全国空き家バンク推進機構』の樋渡理事長、鈴木市長が自治体首長のネットワークに働きかけたところ、1週間で77自治体の首長が賛同の意を示しているという。空き家が大きな課題とされる分、不動産ウェブサイトを長年運用してきたLIFULL社への期待値も高い。今後は、実際に利用が進み、成功事例が求められるフェーズに移っていくことが予想される。

 同社の井上社長は『LIFULL HOME’S空き家バンク』に掲載される物件数の目途については、「全く新しい試みであるため、現時点での明言は難しい」と前置きをしつつも、「早い段階で少なくとも数万件の物件を『LIFULL HOME’S空き家バンク』に掲載したい」と意気込みを語った。

<左から>樋渡啓祐理事長 井上高志社長 鈴木市長

 また、同氏は『LIFULL HOME’S空き家バンク』単体での収益化は考えていないという。社会問題の解決とともに、同社が併せて進めている地方創生の取り組みや、不動産投資のクラウドファンディング、また、楽天とのJVで参画する民泊事業などに繋がることで、社全体としての収益性を高めたいと述べた。

当日の発表資料

 

記=加藤年紀

ネイティブアド



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