インタビュー

【○○市 匿名A氏:第4話】休みの日に活動するなんて「アホじゃないの」

匿名

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休みの日に活動するなんて「アホじゃないの」

加藤:自主勉強会の活動にお話を移しても良いですか。

A氏:2010年頃に職場の後輩職員が、県内市町村の有志の若手職員が集まる自主研グループに、見学に行ってきたんですよ。その感想が「すごい人たちばかりで、すごく刺激を受けました!」というものだったんです。

 「彼女にそこまで言わせるなんて、どれだけすごい人がいるんだろう」と思って、興味が湧いて行ってみたら、ホントにすごい人たちばかりでした。正直言うと、今まで仕事以外の時間に何かしようなんて、全く感じたことなかったんですよ(笑)。何か、サラリーマン公務員的な発想だったんです。「貰った給料以上の仕事をいくらでもしてやるぜ」とは思っていましたが、休みの日や仕事以外の時間に、何か活動しようなんてことは全く考えたことはなかったんです。「よく休みの日にやるよね・・・」みたいな(笑)。いえ、むしろそれまでは「アホじゃないの」くらいの感じでした(笑)。

 それから、そこの学習会に参加する中で、いろいろ情報が入ってくるようになり、繋がりもできていきました。そして、そのグループメンバーが持つ、その縁をきっかけに、さらに世界が広がったと思います。とにかく、自主研グループに関わってから、仕事に対するモチベーションは高まるし、手前味噌ながら、めきめきとスキルアップしていくのも自分自身で感じていた訳です。

同期の仲間ともう一度、○○市役所で自主研を立ち上げる

A氏:ただ途中で気づいたのですが、いくら自分がスキルアップしても、ひとりだけでは何も変わらないと思った時に、じゃあ、○○市役所の中でもできないかなと思いました。

 実は昔、同期の仲間と自主研を立ち上げたことがあったんですけど、うまくいかずにすぐに萎んじゃったんですよ。でも、県内の自主研で学んだ運営ノウハウがあればできるんじゃないかと思い、もう一度、その同期と相談して仲間を募って立ち上げたんです。

 その時に良かったのが、やる気のある同志的な仲間がいたということ、それと、市役所の中に、先ほどの自主研に参加していたメンバーで、優秀な後輩たちがいたので、そういうメンバーたちのお蔭で立ち上げることができました。仲間に恵まれたこともありますが、振り返ると、「運営ノウハウがあればいろんなところでできるんだな」と感じました。

 やり方を知っていれば、誰でも自主研の立ち上げができるのだとすれば、これを広げれば、モチベーションもスキルも高まり、仲間も増えるというこの素晴らしい活動を、もっと広げられるんじゃないかという気づきを得ました。

広域にある自治体職員の自主研究会30団体が集まり、イベントを開催

A氏:参加していた自主研グループで、過去に大きなフォーラムを開催したのですが、次の大きなイベントは何をやるか、自主研グループ内で検討した時期があったのです。そのアイデア出しの時、自分は先ほどの「自主研立ち上げのノウハウが共有できれば、もっと自主研活動が広がっていくのではないか」、「そんなイベントを開けないか」と考えるようになりました。

 それにあたっては、その県内の自主研グループだけでなく、もっといろいろな地域の人たちが集まるようなものができないかと考えました。そこで、実績豊富な自主研を運営している幹事の方々にお声掛けして、仲間と一緒に飲み会をしたところ「面白そうじゃん。やってみようよ」と始まりました。そういった経緯を経て、各地域で活動している自主研から参加者を募って、サミットと呼ばれるようなものも開催しました。

加藤:輪を広げていかれた訳ですね。

 ちなみに、Aさんが初めて参加された自主研グループの持つ運営ノウハウというのは、どういうことだったんでしょうか。

A氏:そこでは学習会を各市が『交代で毎月開催』しているんです。そうでないと負荷が偏ったり、受ける側と運営する側に別れたりしてしまって、主体性がなくなってしまうんですね。それと、学習会を企画するにあたって必要なモノ・チェックリストみたいなのもあります。さらに細かいところですと、講師への謝礼の出し方や基準みたいなものもあるので、それらが全体的に学習会開催マニュアルみたいなものになっています。

加藤:今までやったことない人は、それを持っているだけでかなりラクになりますね。

何か誠意を持って仕事ができていないという葛藤

加藤:話は変わりますが、地方公務員になったきっかけはどういうものだったのでしょうか。

A氏:もともと大学時代は教師になりたいと思っていたんですけど、とてもじゃないけど採用枠がない時代だったんです。それと別の理由として、教育実習で中学校に行った際、大学生ながらも何か違和感があったので、まず民間の経験をして、教師への思いが続くようだったら、また受けようと思いました。

 そして、子どもたちと触れ合うことを想定して大手の予備校に入社したら、配属先がパソコンスクールで、OLさんばかりの職場になったんです(笑)。しかも、そういう中で、当時の話になりますが会社の営業姿勢として、お客様に対するサービスの説明が誇張し過ぎたりしているように感じて、自分は何か誠意を持って仕事ができていないんじゃないかと葛藤を感じていました。そういう経験から、もし公務員だったらもっとまっすぐと誠実に取り組めて、市民に上手く還元ができるんじゃないかと思い、そこから急に興味を持ちました。

加藤:今は教員になりたいという思いはありますか?

A氏:民間時代、仕事が忙しかったということもあるんですけど、その忙しさの中でも「オレは教育をやっていきたいんだ!」というような熱が、自分の中でも少し冷めたと思ったんです。やはり教育者というのは「思いが強い人」がやるべき仕事なんじゃないかなと思って、自分には向いてないのかと思いました。

※本インタビューは全6話です

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