インタビュー

【日南市長 﨑田恭平氏:第1話】人口5万人規模の町で圧倒的な成果を上げる市長が語る

﨑田市長(日南市)1

﨑田恭平氏 経歴
宮崎県日南市の現職市長。2013年4月より市長として就任。2003年4月に宮崎県庁に入庁、地域振興課、西都土木事務所、厚生労働省(派遣)、医療薬務課を経て、日南市の市長選挙に出馬。企業の誘致、商店街の再生、外国からのクルーズ船の誘致等、1期目から様々な成果を出し続けている。2017年4月の任期満了後に、2期目の立候補で再選を目指す。

加藤(インタビューアー): 今日はお忙しい中ありがとうございます。日南市は「前例は日南が作る」、「日本一、企業が組みやすい自治体」というキャッチフレーズを掲げ、さまざまな成果(スライド「創客創人のまちづくり」を埋め込んだページへリンク)を上げられています。今その中で、市長が最も注力されている取り組みはどういったものがありますでしょうか。

現在注力していること

﨑田市長:雇用創出ですね。最終的には「人づくりをしていくんだ」ということなのですが、まずは、働く場所を作っていかないと人口減少が止まらず、地域で活躍できる人が生まれないと思います。今、商店街の再生だったりとか、市内の飫肥地域の空き家再生を行っておりますが、それも雇用創出に繋げたいと思っています。

加藤:日南市の目指す方向性がかっこよくまとめられている動画をお作りにもなられていますよね。

 

﨑田市長:はい、市のコンセプトを明確にし、市民と心をひとつに合わせていくために制作した動画です。

加藤:シャッター商店街の典型だった油津商店街は、今すごく盛り上がっていると思うのですけど、以前に、「商店街はまだやりたいことの、一合目二合目あたりしかできていない」とおっしゃっていました。今後どういうことを目指していきますか?

﨑田市長:商店街に関して言えば、シャッターが完全に下りていたところに店が入りきれば、
ほぼ合格点じゃないかと思われます。しかし、それ以上に継続することの方が重要で、かつ、難しいと思っています。そこをサポートできるようにしたいと考えています。

加藤:もともと掲げていた20店舗という目標というのは、おおむね達成見込みになるのでしょうか。

﨑田市長:そうです。今、まさに20店舗入ったところです。(※1月10日時点)

ただし、お店を経営するということは甘いものではないと思いますので、出していただいた方が閉めるということもあると思います。それは、当然あり得ることなので、仮にそうなったとしても、また新しい入居者が来て、経営を軌道に乗せてもらい、商店街を形成する店舗になってもらえることが大切だと思います。

加藤:実際に日南市役所としてフォローしていく際に、どういう関わり方をされていらっしゃるのでしょうか。

﨑田市長:商店街の再生をするにあたって、日南市では『商店街再生請負人』、横文字で言ったら『テナントミックスサポートマネージャー』という役割の木藤亮太さんという人間が、全国公募の結果、着任しました。

彼は、『4年間で20店舗誘致』という目標のもとスタートを切ったのですが、市民の心を動かす、繋げるというところから始めて、1店舗目のオープンまでに1年かかり、2店舗目までには、さらに1年くらいかかりました。

それからは非常に上手くいって、店舗数は指数関数的に増えていったんですが、市民との関係づくりであるとか、それぞれの店舗について建築のリノベーション、そして、デザイン領域にも入っています。

加藤:店舗を出してもらうだけではなく、かなり深い領域まで関わりを持たれていますね。

地域で何かを起こすには、地域とのコミュニケーションが大事

加藤:何か物事を動かす際、初めが一番難しいと思うのですけど、どういう動きが成果に繋がったと思われますか。

﨑田市長:やはり、そのマネージャーが地域との、もしくは、商店主の皆さんとのコミュニケーションを重ねて心を解きほぐしたところでしょうね。

加藤:具体的にどのようにそれを行ったのでしょうか?

﨑田市長:例えば、飲み屋さんなんかでお酒を飲みながらコミュニケーションを取っていくこともそうですが、地元の子供たちと一緒に空き店舗でお化け屋敷をやったりもしていました。

木藤さんが小学校に行って、商店街の再生に関する話を子供たちにする機会があって、「コンテナを使ってかっこいい店舗をつくりたいと思っている」なんて話をしたら、その子が家に帰って、それをお母さんに伝えてくれたみたいなんです。

そうしたら、丁度そのお母さんが子育てに一段落して、昔仕事でやっていた「まつ毛エクステ」のお店を開きたいということで、入居していただくことになりました(笑)。コンテナハウス油津商店街

加藤:地域で眠っている人を巻き込み、そういう盛り上がりを生んでいったんですね。

﨑田市長:そうですね、もともと、日南出身というわけでもなく、そういうニーズがどこに眠っているのか分からないなかでよくやったと思いますね(笑)。

彼は、市長給与70万円よりも高い90万円をもらっているのですが、実際は給料ではなく月額の委託料なので、言葉のマジックはありました(笑)。

加藤:見せ方は大事だと思います。

﨑田市長:そういう状態で来ているので、注目度が高かったんですよ。だから、いきなりポツンとやって来て静かにスタートしたわけではなく、「お前が、あの90万も貰っているヤツか!」みたいな、やりづらい感じだったと思うんです(笑)。

加藤:なるほど(笑)。

﨑田市長:給料が少ない地方においては「どれだけできるんだ、お前は?」という感じでやっかみもあります。普通はそこで物怖じしたりすると思うんですけど、彼はそれを逆手にとって「ボクは90万の男です」とかいう冗談も交えながら、どんどん馴染んでいったんですね(笑)。

加藤:なるほど(笑)。注目度が高さを生かして上手く入り込んでいったんですね。

﨑田市長:そうですね。もともと彼は、マネージャー公募のコンペの時でも、明確な四年間の設計図というか、4年で20店舗をオープンさせますというスケジュール表を作って勝ち抜いたわけなんですが、その計画をもとに、しっかりコミュニケーションをとっていたところ、早い段階で彼を応援するグループができたんです。

商店街には、本当はここを何とかしたいというメンバーがいるわけですよ。そんな中、「日南市が大博打を打った」と。このチャンスにやらないと・・・みたいな感じです。だから、仕掛け方としては成功しているのではないかと思います。

加藤:油津商店街はお洒落なイメージがあると思いますが、ああいうコンセプトやブランド作りというのはどう進められているんでしょうか。

アブラツコーヒー(日南市)

﨑田市長:木藤さんは、都市デザインのプロフェッショナルなので、カッコいいデザインでないと人は惹きつけられないという持論があるんです。それは私も賛成で、そうしたいと思っていた中、彼が技術的なノウハウを持っていたので、最初からそういう風に進めていきました。

※本インタビューは全7話です

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