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西須さん14

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【元栃木県庁 西須紀昭氏:第3話】「でかい」はグローバルスタンダード

「でかい」はグローバルスタンダード

加藤:いちごへの思い入れがすごいですね。
西須氏:(笑)。いちごっていうのは日本国内で250種が凌ぎを削っているわけですよ。もちろん、ずっと前からシェアトップは栃木県だし、その中でとりわけ、『とちおとめ』っていうガリバー品種がいるわけです。
いちご
西須氏:ただ、250種にまで広がっちゃっているから、1つの品種がシェアをとれる時代じゃなくなってきている。そこで、でかいスカイベリーっていう品種を投入したわけです。
残念ながら、JAもそうだし、日本の高級果物屋さんとか、そういったところが今までやってきたことっていうのは、同じ粒で、同じ形で、同じきらきらの色で、桐箱の中にずらっと並んでいる。それこそが最高級だった。

スカイベリー

開発された大きな苺 スカイベリー

西須氏:それはそれで良いいいんだけど、同じのを集めるっていうご苦労は素晴らしいなと思う。でも、桐箱は高いし、味を比較すると「この味とこの味・・・うーん、どっちもおいしいね」みたいなさ(笑)、「こっちが少し酸っぱいかなー」みたいな、そんな時代だったの。
でも「でかい!」、これは少なくとも誰もがわかるグローバルスタンダードですよ。味が無茶苦茶まずけりゃ話は別だけど、味が普通だったら、でかければでかいほど、価格は右肩上がりになるかもしれない。人間ぐらいの大きさだったら100万円とかね(笑)、アラブの王族とかなら買ってくれそうでしょ(笑)。
加藤:(笑)。元々、栃木にスカイベリーという品種があったんですか。
西須氏:常にやっていることなんですけど、品種交配して、1万株からやっと1株、そのスカイベリーという1株が成立しました。10年かかったんです。とちおとめという品種ができてからもう15、6年経っている。そんな中で新しい品種を作ったと。
品種が増えて、250種になっているっていうのは、栃木県だけがやっていることじゃないんです。今は、特に西日本、四国、九州では盛んです。
加藤:最近、博多の『あまおう』なんかはよく見ますよね。
西須氏:はい、だから『あまおう』が伸びて、なおかつ価格を取られちゃったわけ。あまおうのが値段が高い。あまおうの前からずっーと品種交配で続けてきた中から、「このままじゃ、いかん」ということで、大きくて形のいいやつを最終的に『スカイベリー』っていう名前で、対抗してぶつけたわけ。

多くの都道府県庁で、品種の研究をしている

加藤:その品種交配は、どの組織がやっているんですか。
西須氏:今、「いちご研究所」っていう名前になっているんですけど、いわゆる農業試験場っていうところでやってきました。それこそ昭和40年代くらいから、栃木県は、いちごに力を入れてきた。その一部分を、いちご研究所っていう名前に格上げして、一つの研究所にしました。

いちご研究所

加藤:その農業試験場っていうのは、どの県にもあるものなんですか。
西須氏:まず、ある。
加藤:組織としては、県庁に紐づいているんですか?
西須氏:紐づいていますよ。
加藤:栃木の場合は農業試験場っていうのは、何人くらいの組織になるんですか。
西須氏:90人くらいはいるな。
加藤:そうですか。そこに研究者の方がいらっしゃるってことですか。
西須氏:言ってみればそういうことです。ただ当然に事務処理部門もいるわけです。それと、研究っていっても、品種の研究もあるし、栽培の研究もあるし、土壌の研究もある。
加藤:幅広いですね。
西須氏:それだけある意味、民間企業の参入を規制してきちゃったわけだし。今もなお、その規制から解き放つことを、ずっとしていないわけでしょ。それは、逆に言えば農業が成長できないままでいる原因でもあるわけ。

いちご研究所 水道

日本は個々の農業事業者が小さい

西須氏:比較はできないかもしれないけど、アメリカは米でモンサント社のような巨大企業があって、とても強い商社がある。そういうところが、穀物系の部分についても研究して、品種を改良して、どんどん商売しているわけだから。
日本だと、個々の事業者が小さいでしょ。個々の小さい事業者を束ねるっていうことが、大企業的には成り立たないわけ。一個一個の生産者のところをぐるぐる回ってなんてやってられないから。
その束ね役を、経済活動レベルの束ね役を農協がずっと担ってきた。農協は経済活動だけじゃなくて、本当は営農指導であるとか、そういった部分も束ねているはずなんだけど、そこは直接的な利益にならない。例えば、コンサル料をとれるかっていうと、とれない。もう一方で、行政がそういうコンサルを担っちゃっているから、そのせいで金がとれないっていうことでもあるかもしれない。

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