インタビュー

【元栃木県庁 西須紀昭氏:第2話】いちごカラーでPR

西須紀昭2

いちごカラーでPR

加藤:震災対応のあとから特産品の販売本部を立ち上げなきゃいけない。もうバタバタですね。

西須氏:経済活動に関わるっていうのは、「マクロでこうやっていくと全体がどうなります」っていう、そういう論理的に簡単に言い切れるものじゃないんですよ。だから、例えば元気な企業さんを見つけて、その企業さんといろいろなやり取りをして、求められるところにつないでいくとかをするんです。そういうある意味『まぐれの出会い』みたいなものの積み重ねでもあるんです。

 そのまぐれの出会いの一つには、3・11以降でいうと、「被災地応援でイベントを開いて良いよ」という流れがあったんです。被災地の端っこには、我々、栃木県もいたわけです。実際には放射能被害、風評被害は放射能検査をしっかりいれて、これも案外早く回復した。とはいいながら、なんとなしに風評被害が残っているという感覚はありました。

 それに対して「何か応援できることはないかな」っていう大企業さんがあちこち出てくるんです。そのイベントでは県内の企業・食品企業や、農産物事業者をまとめて出店させるということも、どんどんやれた。最たるものが、東京海上日動の本社の前にある空地、赤レンガビルのあそこを、「無料で使ってくださいね」って話。もう大喜びさせていただいてね。
東京海上イベント

加藤:そこで、特産品を持ってきて、安全のアピールや、販売をされたんですか。

西須氏:はい。実は栃木県ってあんまり民間企業との交流事業、交流っていうか人事交流やってなかったんだけど、東京海上日動とだけは十数年もの間、出向し、研修させてもらっていた。当然、福島も宮城もやったうえでの話なんだけど、「栃木県との縁が強いからどうですか」と声をかけていただいたんです。

 いずれにせよ、そういう場でPRするときに、私という人間が「売り子としてどれだけ機能できるか」って言っても、たかが知れている。そりゃ可愛いお姉ちゃんの売り子さんにはかなうわけがないんだよ(笑)。それはそうなんだけど、そういう時に例えばいちごの季節には赤い恰好していく。いちごカラーでPRにいくと。
西須紀昭7

 こういうのがまた自分にとっては楽しいし。本当は今日も天気が悪くなければ、もっと赤い服着てきたはずなんだ(笑)。
※当日、栃木の天気は雪

加藤:見たかったです(笑)。

西須氏:すいません(笑)。

加藤:今日は寒過ぎたから止めたんですか(笑)。

西須氏:そう、流石に道路がつるつるなんで、赤いブーツもないし(笑)。

加藤:めちゃくちゃ面白いです(笑)。

西須氏:だって、自分がめちゃくちゃ面白いって思えないと、人は欲しくないじゃないですか(笑)。

バイヤーとしてのノウハウを持った人を登用

加藤:そうすると、東京に行かれても、震災からの放射線の不安などもあって、守りのところから入っていったってことですね。

西須氏:スタートはそうですね。

加藤:そういうイベントみたいなところで売ることで、特産品を目立たせて、さらにそれを東京の小売店とかに営業したりしていくんですか。

西須氏:小売店営業は難しいんですけど、幸いだったのが、組織を作った時に高島屋のバイヤーの定年OBの方を捕まえてきて、その方にまた活躍していただいたんです。その方には今も頑張ってもらっています。人脈、ノウハウのレベルが全然違うからすごいんです。

加藤:それは職員として採用されているんですか。

西須氏:非常勤職員。栃木の場合、基本的には非常勤職員ってのは5年の年限なんで、5年間しかいられないんだけど。あと1、2年くらいプラスで居て欲しいなと。
まぁ、その人たちが、地域で色々頑張って生まれた商品の中から、より高みを狙えそうなやつをぶつけにいくわけですよね。

加藤:代理で営業してくれるってことですよね。地元の企業からみると。

西須氏:そういうこと。

加藤:代わりに販路開拓をしてくれる。地元企業から見れば助かりますよね。

日本橋三越でいちご狩り

加藤:5年間の中で、ご自身が一番心に残っているお仕事は何でしょうか。

西須氏:一つは日本橋三越で1月の頭に1週間くらい、いちごフェアを開催することができるようになった。一昨年開催することができるようになって、去年、今年と大きく成長できました。

 日本橋三越の一階ホールがあって、バカでかい天女の像があるんです。その吹き抜けになっているところでいちご狩りをしているんです。県内のいちご農園さんにプランターを100個持ってきてもらって、それで日本橋の小学生にいちご狩りをさせると。
日本橋三越 いちご狩り

 それは2日間だけのいちご狩りで、あとは展示しておくだけの風景なんだけどね。もちろん商品も色々売るんですよ、その周りで。これができたっていうのは、いうなれば、日本橋三越にいちご畑を作ったということ。こういうのって、みんなが嬉しいじゃないですか。

※本インタビューは全7話です

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