インタビュー

【川崎市 奥貫賢太郎氏:第3話】川崎市全域を『市民の地元』にするツアーを開催

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『えんたく』では 実際にプロトタイプ事業を進めていく

加藤:先ほどお話された『えんたく』では、実際に市民の方と事業を作っていくそうですね。その活動を詳しく教えてもらえますか?

奥貫氏:1年間近く活動していますが、まず、『オープンミーティング』というものを開き、街でやりたいアイデアを出していきました。

 次に、集まったメンバーが実際にそのアイデアを行動に移していきます。このステージが『プロトタイプ事業』です。まず、プロトタイプとして始め、その後に本当の事業として実現性のあるものは、そのまま継続していくんです。いま丁度、1つの事業がプロトタイプの時期を終え、本当の事業に切り替わるタイミングに差し掛かろうとしています。

地元の人だから知り得るスポットを回る

加藤:その事業は具体的にどういうものでしょうか?

奥貫氏:市内の街を歩く、ツアーイベントをやりました。川崎は細長い地形で、北と南で住んでいる人の層も違います。実はあまり南北で交流がなくて、それぞれの場所に何があるのかお互い知らないんです。

 ただし、普通の観光情報で紹介されるスポットではなく、地元の人だから知り得るスポットに焦点をあてて、そこを訪れるツアーを組んでみました。それが「意外と面白い」となり、継続してやっていけるように進めています。

加藤:地元の人だから知り得る場所というのは、どういうところなのでしょうか?

奥貫氏:例えば、私の地元の川崎大師周辺のツアーもやりましたが、普段、川崎大師には初詣の参拝で来ることが多いと思うんです。だから、大体の人はお寺を巡った後にそのまま帰ってしまいがちですが、「近くにあるお肉屋さんの人ってどんな人だろう」とか、「まんじゅう屋さんがなぜ、この種類のまんじゅうを出しているか」、「おみやげ屋さんがどういう性格の人か」など、そういうところにも焦点を当ててみました。

加藤:面白いですね。

参加する場合のコストは1人1000円程度

加藤:お金はあまりかからないのでしょうか?

奥貫氏:ツアーに行った後に、それぞれ体験で感じたことを共有する場を持ったので、その会場費や、ちょっとしたおみやげを用意するために、1人1000円ぐらいですかね。

加藤:手軽ですね。いままでツアーは何回ぐらい行いましたか?

奥貫氏:本番を迎えるにあたってのプレみたいなことも含めると、全部で4回やりました。2地区でそれぞれプレ、本番を2回ずつやりました。

加藤:それぞれ何人ぐらい参加したんですか?

奥貫氏:10〜15人ですね。

「もぎたて!カワサキまるかじり」のツアー

ツアーの集合写真

ウェブサイトを立ち上げて 次の展開に移っていく

加藤:これをプロトタイプから、本事業にしていくとおっしゃっていました。本事業にするにあたり、何を変えていくのですか?

奥貫氏:大きく変えるところはウェブサイトを立ち上げて、もっと多くの人に知ってもらえるよう情報共有と発信に力を入れるというところですかね。

加藤:なるほど。そこで、告知や募集、もしくは過去のツアーの雰囲気がわかるようなイメージですか?

奥貫氏:そうですね。このイベント自体の情報も載せますが、それと別に、自分の街を紹介したい人が自由に投稿をできるサイトとしても使ってもらいたいと、思っています。というのも、例えば、行く先々の商店をやっている人が、自分の店に来て欲しいという想いもあると思うんですね。

加藤:なるほど。

川崎全域を市民の地元にしていきたい

奥貫氏:想いとしては「地元を増やす」というところですね。ただでさえ、いろんな場所にいろんな面白いものがあるんです。例えば、そのツアーで回った人がそこで出会った人を覚えてくれて、いままでなかった地域で人と人の交流が生まれたりするといいなと。

 実際にその川崎大師のツアーに参加した人が、その後、川崎大師を訪れた際、まんじゅう屋さんが自分のことを覚えてくれていて、「川崎大師に地元感が芽生えた」と言ってくれたんですね。まさに、それが連鎖するように、「川崎全域を市民の地元にしていきたい」と思っています。

小さいコストで小さく始める

加藤:本事業が始まっても、あまりお金をかけずに運用していくのでしょうか?

奥貫氏:そうですね。まず小さく始めてみて、徐々に形をきれいにしていったりとか、いろいろ機能の追加とかを考えていくと思います。

ウェブサイトの開発コストはクラウドファンディングで集める計画

加藤:ウェブサイトは多少お金がかかると思いますが、そのコストはどうするのですか?

奥貫氏:イニシャルコストは30万円ぐらいだと想定していますが、近々リリースするクラウドファンディングで集めたいと思っています。ランニングのところはスポンサーという形で、地域の商店や企業の方々の広告を出しつつ、その商店や企業があるエリアに人を誘導するようなツアーを組めないかと思っています。始めたばかりのものにスポンサーシップで賄うというのは、非常に都合のいいことだと思いますが。

加藤:いえいえ。事業を無理に大きくするより、少しずつ大きくする方が維持可能なものとなるので、とても良いアプローチだと思います。うまくいったところはまた伸ばせばいいと思うので。

奥貫氏:ようやくひとつ、本事業の形になれたので、こういう次なるプロジェクトをどんどん生み出していきたいですね。一つを形にするだけで、結構力がいることなんですが。

自分たちも事例を作るなかで鍛えられていく

加藤:『かわさき市民しきん』の活動の中で、支援だけをするではなく、『えんたく』で行う事業が、事例づくりにもなりますよね。「じゃあ、私にもできるじゃん!」みたいな連鎖が生まれると良いですね。

奥貫氏:まさにそうですね。もちろん、『えんたく』という仕組みがなくても、街の中で一から新しい画期的なプロジェクトを立ち上げている市民の方は、何人もいるんです。だけど、やっぱり全ての人が、そういうことができる超人じゃない。

 我々は『かわさき市民しきん』でそれを支えていく立場なのですが、自分たちも事例を作るなかで鍛えられていって、きちんと皆さんをフォローできるようになっていきたいなと思っています。

※本インタビューは全6話です

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