インタビュー

【千葉市長 熊谷俊人氏】政令市の最年少市長が語る、最高にやりがいのある地方自治体の仕事とその最前線

千葉市 熊谷市長
【熊谷俊人氏 経歴】
1978年生まれ。現職千葉市長、現在2期目。早稲田大学政治経済学部を卒業後にNTTコミュニケーションズ株式会社に入社。2007年に千葉市議会選挙に立候補し当選。その後、2009年に千葉市長選挙に立候補し当選。当時、31歳として全国最年少の市長となり、現在も政令指定都市において現職最年少の市長を務める。2017年6月の任期満了に伴う市長選に3選を目指して立候補する考えを表明している。

債務残高の減少は、積み重ねの結果

加藤(インタビューアー):本日は、よろしくお願い致します。早速ですが、市長に就任されてから色々な施策に取り組まれていらっしゃる中、市の主要債務総額が減少しています。うまくいった要因はどのように考えていらっしゃいますか?

熊谷市長:うまく行った理由を説明するのはなかなか難しいんですけど、あえて言うならば、私が最初に予算編成をした2010年に、今まで見直しされて来なかったもの、見直すべきものを徹底的に改善するようにして、その予算案で議会に承認頂いたというのが大きいですね。

 そこで、事業の整理を相当数していますのでそれが大きいと思います。事業の優先順位、歴史的役割が終わったものについて大幅に見直しました。それから市債発行、例えば建設債の発行は十分考えた上でやるなど。

 だから、「具体的に、これだ!」というものがあると言うよりは、不断の行革、事業見直しをずっと一年中やり続けた、積み重ねた結果がこれになっていると思います。

千葉市主要債務総額推移

第2期千葉市財政健全化プラン取組結果(平成27年度) より引用

加藤:千葉市では色々な行政サービスが電子化されていますが、単純にコストを減らすだけではなく、市民の利便性も高めながらコストカットをしているというところが素晴らしいところだと思います。

 今、市長としての2期目が終わろうとしています。就任からずっと改革を行って来ました。まだ、改革できそうな部分はありますか?

熊谷市長:行革(行政改革)におけるスリム化という意味合いでですか?

加藤:はい。行革・コストカットというイメージですね。

熊谷市長:そうですね、大体、就任から約8年のこの2期で時間のかかるもの、市民、議会理解の得られるものも含めて、全部やり切った感はあると思います。

 ただ一方で、もっと大きいレベルのもの、例えば公共施設の統合・再配置、複合化、こういったものは仕掛けているものが本当に動いてくるのは、10年くらいのスパンでやりますから、そういうものはまだまだあると思いますね。

自治体の所有する資産はまだまだ改善・活用できるものが沢山ある

加藤:市の持つ不動産やアセットの部分が、まだもうちょっと改善できる要素がありそうだということですね。

熊谷市長:はい。施設の最適化というか、まだまだ仕掛けをしている途中のものもありますし、これからやらなければならないものもあります。

加藤:今、地方自治体が資産の活用や老朽化を見越して、固定資産台帳などを整理しています。千葉市の場合はどういう状況にあるのでしょうか。

熊谷市長:僕らは既に資産カルテを作っています。資産を活用する経営はずっと前からやって来ているので、比較的先行している側の自治体だとは思いますね。何年も前から、「この資産が老朽化しているからこうした方が良いだろう」というような議論をずっとして、将来の計画を立てていますね。

加藤:なるほど、もうそこは既に準備できていたということですね。

熊谷市長:着実にやって来ています。粛々とですね。

加藤:不動産活用のところで感じることは、やはり、自治体が所有しているアセットを使い切れていないのではないかと思います。

熊谷市長:まさに。間違いないですよ。私はよく市の職員に「行政は独占ビジネスだから独占しているという強みをしっかり認識した方がいい」と言っています(笑)。

 というのも、行政が所有しているものは本当に行政でしか造りえないもの、保持できないものが沢山含まれているので、それを民間に開放することで、市民と民間の両方にメリットが出るものは山のように埋もれていると思いますね。

 我々が今実際にやっていることで、ユースホステルの跡地を民間に入って頂いています。ここで、民間の会社が、千葉市の持っていた資産を利用することで、合宿ビジネスというものをできるようになっています。そして、このエリアの一部を千葉で初の車の乗り入れられるオートキャンプ場としたことで、大変盛り上がっていまして、これは財政メリットが約4,300万円出ています。

 また、千葉市には「いなげの浜」、「検見川の浜」、「幕張の浜」という3つの人工海浜があり、総延長は約4.3kmに及び日本一の長さを誇ります。ここに「THE SURF OCEAN TERRACE」というビーチサイドレストラン、ホール(イベント・展示ホール)、バンケット(集会場施設)等の複合施設が民間企業の資本でオープンし、大変賑わっています。

千葉市人工海浜

千葉市の人工海浜 総延長は約4.3kmで日本一の長さを誇る

加藤:千葉市としても、ビーチサイドの案件では、施設などの設置許可区域の使用料が年間3700万円、ユースホステル跡の土地管理許可等使用料も年間270万円という収入が入る上に、維持費がなくなるわけですよね。もちろん、住民にとっては遊べる場所が増え、民間企業はしっかりと収益が上がるので、Win-Win-Winの関係ができていると思います。

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