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【横須賀市 川名理惠子氏:第1話】『自宅で最期を迎えたい人』の願いを叶える仕事がある

【川名理恵子氏の経歴】
新卒で横須賀市役所に入庁し、健康部地域医療推進課長を務める。横須賀市における在宅医療・介護連携推進について、医師会はじめ関係団体とともに取り組み、人口20万人以上の都市において、横須賀市を在宅死亡率トップに導く。この成果と試みが先進事例として評価をされ、様々な会合に講師として呼ばれる等、市役所内にとどまらない活躍をしている。厚生労働省「在宅医療・介護連携推進支援事業アドバイザー」を務める。

―厚生労働白書(平成26年版)によると、約半数49.5%の人が「自宅で死を迎えたい」と答えているが、実際に自宅で亡くなられている人は12.6%しかいない。法改正により、市区町村では2018年4月までに「在宅医療・介護連携」の推進に取り組む必要が生じている。そんな中、早期から着手し、成果を上げている横須賀市の事例について、横須賀市役所、健康部地域医療推進課、川名課長に伺った。

2011年度から在宅医療・介護連携推進に関わる

加藤:現在の所属されている部署、普段の業務について教えていただけますでしょうか。
川名氏:健康部地域医療推進課という部署におりまして、地域医療政策を担当しています。具体的には、在宅医療・介護連携推進事業や災害医療、救急医療、看護師確保対策事業などです。
 在宅医療・介護連携推進事業は、厚生労働省が地域包括ケアシステムの構築を目指し、介護保険法の改正により、平成27年度から全国の市区町村に義務付けられた事業です。
 当課は2010年度に立ち上がり、私は翌年2011年度に係長として異動してきて、2016年度に課長になりました。

人口20万人以上の都市で 横須賀市の在宅死亡率がトップ

加藤:異動してからのお仕事の成果が上がって、先進事例と言われています。どういう成果があったのでしょうか。

『自宅』での死亡数が着実に増加

川名氏:厚生労働省が全国市区町村別の「在宅医療にかかる地域別データ集」を公表しましたが、それによると、人口20万人以上の都市では、横須賀市の在宅死亡率がトップであることがわかりました。いままで発表されていたわけではなかったので、この時初めて全国の状況を知ることになりました。

「住み慣れた我が家で療養したい」という願いを叶える

加藤:どんなことを目指して取り組まれたのでしょうか。
川名氏:「住み慣れた我が家で療養したい」と願う市民が、在宅での療養、さらには看取りという選択ができるように地域医療の体制づくりを目指して、医療と介護の関係者とともに、様々な取り組みを展開してきました。おかげさまで、関係職種の連携はずいぶん進んだと実感しています。しかし、まだまだ、目指す姿にはなっていない、課題は解決していないというのが現状です。

自宅で最期を迎えたいという希望と現実

加藤:確かに、「『病院』で最期を迎える」というのが一般的な方が持つイメージですね。実際に国が発表している内容でも、自宅で最期を迎えたいという希望と現実が乖離しています。

「病院・診療所」で死を迎えたい人は17.9% 実際に「病院・診療所」で亡くなる人は80.3%

川名氏:それを少しでも希望に沿うことができるようにしていくための活動をしてきました。

「とても横須賀市では真似できない」

加藤:最初に進めようとした際に、参考にされた事例はあったのでしょうか。
川名氏:『柏プロジェクト』と呼ばれる千葉県の柏市さんの取り組みは先進事例としてとても有名です。柏市と横須賀市は人口規模も似ているので、参考にしたいと思っていました。ただ、柏市は東京大学との連携があるなど、「とても横須賀市では真似できない」と思いました。
加藤:同じように進めていくことが難しいと感じられたのは、特に学術的なアプローチの部分で柏市には優位性があったということでしょうか。
川名氏:それもありますが、柏市さんはスタッフの人数なども充実していて、同じようにはできないと思いました。当時、横須賀は私と担当者の2人でやっていましたから、地道に横須賀なりのやり方でやっていかなければいけないと考えていました。

『市役所の人』には信頼と期待がある

加藤:横須賀なりのやり方というのは、どういうことでしょうか。
川名氏:小さいながらも地道に動くということです。そもそも私は異動したばかりで、「現場がどのように動いているのか」「働く人たちがどう感じているのか」が、全くわからなかったので、最初に当時の課長と一緒に、現場に携わる様々な職種の方や関連団体の方に会いに行きました。
 そうすると、「市役所の人が話を聞きに来た」ということで、様々なお話をしてくれました。

積極的に人と関わっていくと課題が見える

加藤:実際にいろいろな方とお会いして、どういう話が出てきたのでしょうか。
川名氏:当時、介護系の職種の方は、「医療系の方たちは敷居が高い」「話ができても専門用語がわからない」などとおっしゃる。逆に医療系の方は、「介護系の人たちに理解してもらえない」などとおっしゃっていました。
 お話を聞いた結果、みなさんお互いに理解しあえていないところがあり、職種間でうまく意思疎通ができていないために、連携することができないジレンマを抱えているのだと感じました。

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※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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