コラム

地方に適切な大きさの問題さえ生まれれば。

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ちょっと古い記事ですが、糸井重里氏が運営する「ほぼ日」の記事で感銘を受けたのでご紹介。

適切な大きさの問題さえ生まれれば。

※以下引用。

毎日毎日動きを続けていると、適切な大きさの問題がつぎからつぎに生まれるんだそうです。で、それさえ生まれれば、インターネット上にはそれを解決する人が現れる。(中略)なにかの意味のためにやるんじゃない。単に、自分が解決したい問題がそこにあったと。

これを読んで、もうびっくりして。これだ!と。

少し解説すると、「Ruby」という直感的に扱いやすいと言われているプログラミング言語があって、その生みの親であるまつもとひろゆき氏がなんとなしに語ったんだそうな。

成功するプロジェクトには、往々にしてこういうことが起こるという。

1.何かやろうとしたときに、問題にぶつかる。
2.もがいてると、その問題を解ける人が現れて、辻斬りのようにそれを解いてくれる。
3.その後も「適切な大きさの問題」が現れるたびに、辻斬りが現れては解いて行く。

子どもを見ているとよくわかりますが、そもそも人ってそういうところがある。

やりたいから、やる。やれるから、やる。以上。

場所や時間の制約を越えるインターネットなら、その動きを加速させるという話。それによって新しいプログラミング言語だって作れてしまう。

で、思ったのが、これって地方自治体の運営にも言える話だろうなと。

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地域活性に尽力されている木下斉氏の著書「地方創生大全」を読んだときにも、同じことを感じた。

地方創生の名の下に、補助金を注ぎ込んだ施設がわずか数年で破綻するというニュースが後を絶たない。

その要因として、補助金からスタートすると「だれかが何とかしてくれるだろう」というマインドが最後まで抜けないという。

参画する民間企業は、行政が何とかしてくれる、行政がお金を出してくれる、行政が!行政が!を繰り返し、依存状態、他責思考の環境には「適切な大きさの問題」は生まれない。

行政は行政で、計画性もなくオーバースペックのものを作ってみたところで、運営で膨らみ続ける赤字をなくす術を持たず、ただただ時間だけが過ぎ、いつまで待っても「適切な大きさの問題」は生まれない。

だれも「やりたいと思わない」し、だれも「やり方を知らない」のだ。

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では行政はどのように関わるのが正解なのだろうか。この本では、成功事例として岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」が取り上げられていた。

1997年、紫波町の中心部に公共施設と住宅を集約するため、28.5億円もの大金をかけて土地を購入したものの、税収が追いつかず開発が頓挫。その後10年間ただの「雪捨て場」として使われる羽目になるという嘘みたいな本当の話があった。

それが今では、オガールプラザとして生まれ変わり、入居テナントのカフェや居酒屋、マルシェや学習塾、クリニックでは多くの雇用を生み、紫波町図書館は年間30万人以上が来館しているという。

その秘訣は、「民間企業」が「返済計画」をしっかりと立てて進めたということ。そんなこと?という感じだが、そこが肝。

なぜなら、行政は「開発できる予算さえあれば、つくってしまう」ということをやりがちで、ここには持続性についての考え方が抜けてしまっている。また、予算を年度内に使い切らなければいけないという役所的発想も、それに拍車をかけてしまうという。

行政と民間が協力する図書館といえば、佐賀県武雄市の「武雄市図書館」が有名だが、ここはCCCにお金を支払う方法を取っている。一方で、オガールプラザの図書館は、民間の運営会社と入居テナントが、紫波町に家賃や固定資産税などを逆に払っているという。

このように、行政はどこがお金を支払う場面で、どこがお金を受け取る場面なのかについて、発想の転換をする必要がありそうだ。

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「適切な大きさの問題」が解決されるためには、「自分が動き続ける」必要があるという。

動き続ける人は問題にぶち当たるが、それを解決してくれる人も現れる。

つまり、「適切な大きさの問題」は、その資格がある人にだけ現れてくれる。

その資格がある人になれているか、その資格がある会社や、その資格がある地域になれているか、ぜひ今回紹介した記事や本を読んでみて、それを考えてみてはいかがだろうか。

小野寺将人
湘南在住。不動産情報ウェブサイト運営会社、お出かけ情報ウェブサイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在はヤフー株式会社にて企画職に従事。

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